片頭痛治療について
片頭痛は、ズキズキとした拍動性の頭痛が繰り返し起こる病気です。頭痛だけでなく、吐き気や光・音への過敏さを伴うことも多く、発作が起きると日常生活や仕事に大きな支障を来します。
これまで片頭痛の治療といえば、発作が起きた時に痛み止めを飲むという「急性期治療」が中心でした。しかし近年、片頭痛治療は大きく進歩しています。発作を起こりにくくする「予防治療」の選択肢が広がり、多くの方の生活の質が改善しています。
京都市伏見区のやまな脳神経クリニックでは、従来の治療に加えて、CGRP関連抗体薬と呼ばれる新しい予防薬による治療を行っています。「頭痛くらいで」と我慢している方、市販薬が手放せない方は、ぜひ一度ご相談ください。
片頭痛の急性期治療と予防治療
片頭痛の治療には、大きく分けて「急性期治療」と「予防治療」があります。
急性期治療
急性期治療は、片頭痛の発作が起きた時に痛みを抑える治療です。トリプタン製剤と呼ばれる薬が代表的で、発作の早い段階で服用することで効果を発揮します。
予防治療
予防治療は、発作の頻度や程度を減らすための治療です。毎日薬を飲む方法や、月に1回注射を行う方法などがあります。発作の回数が多い方、発作のたびに生活に支障が出る方、急性期治療薬を使いすぎている方には、予防治療が勧められます。
CGRP関連抗体薬とは
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、片頭痛の発作に深く関わっている物質です。片頭痛が起こる時、脳の血管や神経でCGRPが放出され、痛みや炎症を引き起こします。
CGRP関連抗体薬は、このCGRPの働きを抑えることで、片頭痛の発作を予防する薬です。従来の予防薬とは異なり、片頭痛のメカニズムに直接作用するため、高い効果が期待できます。
月に1回程度の皮下注射で投与し、発作の回数や程度を減らすことを目指します。当院では、この治療を受けられる方が増えており、「発作の回数が減った」「薬を飲む量が減った」といったお声をいただいています。
当院で使用できるCGRP関連抗体薬
当院では、以下のCGRP関連抗体薬を取り扱っています。それぞれ作用の仕方や投与間隔に違いがあり、患者様の状態やご希望に応じて選択します。
エムガルティ(ガルカネズマブ)
エムガルティは、CGRP自体に直接結合し、その働きをブロックする薬です。
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- 投与方法:皮下注射
- 投与間隔:初回は2本注射し、その後は月1回(30日ごと)
- 自己注射:可能(在宅自己注射に対応)
- 主な副作用:注射部位の反応(痛み、腫れ、かゆみなど)
アジョビ(フレマネズマブ)
アジョビも、エムガルティと同様にCGRPに直接結合して作用する薬です。投与間隔の選択肢があることが特徴です。

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- 投与方法:皮下注射
- 投与間隔:4週間に1回、または3か月に1回(3本同時注射)から選択可能
- 自己注射:可能
- 主な副作用:注射部位の反応
3か月に1回の投与を選択できるため、通院の頻度を減らしたい方に適しています。
アイモビーグ(エレヌマブ)
アイモビーグは、CGRPが結合する「受容体」に作用する薬です。CGRPが受容体に結合するのを防ぐことで、効果を発揮します。

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- 投与方法:皮下注射
- 投与間隔:4週間に1回
- 自己注射:可能
- 主な副作用:注射部位の反応、便秘(エムガルティ・アジョビよりやや多い傾向)
経口CGRP薬「ナルティーク」
当院では、注射薬に加えて、経口タイプのCGRP関連薬「ナルティーク(アトゲパント)」も処方しています。
ナルティークは、CGRPの受容体に作用して片頭痛を予防する飲み薬です。注射薬と同様にCGRPの働きを抑える仕組みですが、2日に1回の服用で効果を発揮します。
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- 投与方法:経口(飲み薬)
- 投与間隔:2日に1回服用
- 主な副作用:吐き気、便秘、倦怠感など
注射が苦手な方や、自己注射に抵抗がある方にとって、経口薬という選択肢が加わったことは大きなメリットです。
治療の対象となる方
CGRP関連抗体薬による治療は、以下のような方が対象となります。
- 月に4日以上、片頭痛の発作がある方
- 片頭痛によって日常生活や仕事に支障を来している方
- 従来の予防薬(飲み薬)で効果が不十分だった方
- 従来の予防薬の副作用で継続が難しかった方
- 急性期治療薬(トリプタン製剤など)を頻繁に使用している方
保険適用で治療を受けるためには、一定の条件を満たす必要があります。詳しくは診察時にご説明いたします。
治療の流れ
1.診察・検査
まず、片頭痛の診断を確認し、これまでの治療歴や発作の頻度などを詳しくお聞きします。必要に応じてMRI検査を行い、他の病気が隠れていないかを確認します。
2.治療方針の決定
CGRP関連抗体薬の対象となるかどうかを判断し、患者様とご相談の上、どの薬を使用するか決定します。
3.投与開始
注射薬の場合、初回は院内で注射を行い、副作用の有無を確認します。問題がなければ、ご希望に応じて在宅自己注射に移行することも可能です(3ヶ月に1回の通院)。経口薬の場合は、処方に従って2日に1回服用していただきます(2週間に1回の通院)。
4.定期的なフォロー
効果や副作用を確認しながら、治療を継続します。発作の回数や程度の変化を記録していただき、治療の効果を評価します。
費用について
CGRP関連抗体薬は保険適用の治療です。ただし、薬剤費が比較的高額なため、自己負担額は他の薬に比べて高くなります。
3割負担の場合、1回の注射あたり約13,000~14,000円程度が目安となります(薬剤により異なります)。高額療養費制度の対象となる場合もありますので、詳しくはご相談ください。
片頭痛でお悩みの方へ
「頭痛は体質だから仕方ない」「薬を飲めば何とかなる」と、片頭痛を我慢している方は少なくありません。しかし、片頭痛は適切な治療によって、発作の回数を減らし、生活の質を大きく改善できる病気です。
CGRP関連抗体薬は、従来の治療では十分な効果が得られなかった方にも、新たな選択肢を提供します。この治療を受けられる医療機関はまだ限られていますが、当院では様々な薬剤を取り扱っており、患者様の状態に合わせた治療が可能です。
片頭痛の発作が多い方、市販薬を頻繁に使っている方、これまでの治療で満足できなかった方は、ぜひ一度ご相談ください。






