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物忘れ・認知症

物忘れ・認知症について

「最近、同じことを何度も聞くようになった」「約束を忘れることが増えた」「いつも通っている道で迷った」ご本人やご家族がこうした変化に気づいて来院されるケースは少なくありません。

 

京都市伏見区のやまな脳神経クリニックへは、物忘れや認知症のご相談で来院される方も多くいらっしゃいます。実際には、ご本人よりもご家族が心配されて連れてこられるケースがほとんどです。ご本人に自覚がないことも多く、「自分でおかしいと気づいて来る方は、それほど心配ないことが多い」「自覚がない方のほうが、実は進んでいることがある」というのが、日々の診療で感じていることです。

 

認知症は早期発見が大切です。気になることがあれば、早めにご相談ください。

物忘れと認知症の違い

年齢を重ねると、誰でも物忘れは増えます。「人の名前がすぐに出てこない」「何を取りに来たか忘れた」といった経験は、加齢に伴う正常な物忘れであることが多いです。

 

一方、認知症による物忘れは、体験そのものを忘れてしまうのが特徴です。「食事をしたこと自体を覚えていない」「同じ話を何度も繰り返す」「日付や曜日がわからなくなる」といった症状が見られます。

 

物忘れが気になった時、それが年齢相応のものなのか、認知症の初期症状なのかを見極めることが大切です。

認知症の種類

認知症にはいくつかの種類があります。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多いタイプです。脳にアミロイドβやタウというタンパク質が蓄積し、神経細胞が徐々に減少していきます。物忘れから始まり、ゆっくりと進行していきます。

血管性認知症

血管性認知症は、脳卒中(脳梗塞や脳出血)によって脳の一部が障害されることで起こります。脳卒中の予防が認知症の予防にもつながるため、生活習慣病の管理が重要です。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、幻視(実際にはないものが見える)やパーキンソン症状(動作が遅くなる、手が震える)を伴うことが特徴です。

当院での検査・診断

認知症の診断には、詳しい問診と認知機能検査、MRI検査を組み合わせて行います。

問診

問診では、物忘れの程度や日常生活への影響、いつ頃から症状があるかなどをお聞きします。ご本人だけでなく、ご家族からもお話を伺うことで、より正確な状態の把握につなげます。

認知機能検査

認知機能検査では、記憶力や見当識(日時や場所の認識)、計算力などを評価します。

MRI検査

MRI検査では、脳の萎縮の程度や血管性病変の有無などを確認します。当院では「VSRAD(ブイエスラド)」という脳萎縮を評価するためのMRI解析も実施しており、アルツハイマー型認知症に特徴的な海馬周辺の萎縮を客観的に評価することができます。

 

また、認知症のような症状を示す病気の中には、治療によって改善するものもあります。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症、甲状腺機能低下症などがその例です。これらを見逃さないためにも、検査を受けることが大切です。

MCI(軽度認知障害)について

MCI(軽度認知障害)は、正常と認知症の間の状態です。物忘れなどの認知機能の低下はあるものの、日常生活は自立して送れている段階を指します。

 

MCIの段階で発見し、適切な対策をとることで、認知症への進行を遅らせたり、予防したりできる可能性があります。水分をしっかり摂る、良質な睡眠をとる、人とのコミュニケーションを大切にする、適度な運動を続けるなど、生活習慣の改善が重要です。

「レケンビ」「ケサンラ」のフォローアップ施設です

当院は、MCIを対象とした新薬「レケンビ」「ケサンラ」のフォローアップ施設として登録されています。これらの薬剤は大きな病院でのみ導入が可能ですが、当院でMCIと診断された方を京都医療センターなどの導入施設へご紹介し、半年経過後は当院で点滴治療を継続することも可能です。

MCIスクリーニング(認知症リスク検査)

MCIスクリーニングは、血液検査によって認知症のリスクを調べる検査です。アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβを排除する力や、神経細胞を守る力などを評価します。

 

「物忘れが気になり始めた」「まだ症状はないが、将来が心配」という方におすすめの検査です。

APOE(認知症遺伝子検査)

ApoE遺伝子検査は、アルツハイマー型認知症の発症リスクに関わる遺伝子のタイプを調べる検査です。血液検査で行い、一生に一度受ければ結果は変わりません。

 

40~50代の比較的若い方が、「親や親戚にアルツハイマーの方がいて、自分も将来なるのではないか」と心配されて受けられるケースが多いです。遺伝子のタイプは変えられませんが、リスクを知ることで早めの予防に取り組むことができます。

治療とサポート

認知症の治療には、薬物療法と非薬物療法があります。

薬物療法

薬物療法では、認知症の進行を遅らせる薬を使用します。症状や認知症のタイプに応じて、適切な薬を選択します。

非薬物療法

非薬物療法としては、生活習慣の改善や脳を活性化する活動(会話、趣味、運動など)が挙げられます。近隣の医療機関では音楽療法なども行っており、必要に応じてご紹介しています。

 

また、当院ではケアマネジャーやデイサービスとの連携、介護保険の利用案内など、ご本人とご家族の生活を支えるためのサポートも行っています。

ご家族へのメッセージ

認知症の診療では、ご本人だけでなく、ご家族のお話を伺う時間も大切にしています。検査をしている間にご家族だけでお話しいただく機会を設け、日頃のご苦労やお気持ちを聞かせていただいています。

 

「まわりのサポートが得られないのが一番つらい」というお声をよく聞きます。ご本人は「大丈夫」「無理やり連れてこられた」とおっしゃることも多く、ご家族の心労は大きいと思います。

 

ですが、お一人で抱え込まないようにしてください。ケアマネジャーやデイサービス、介護保険など、様々な支援の選択肢があります。当院では、ご家族の負担軽減にも力を入れています。

 

物忘れが気になるご家族がいらっしゃいましたら、まずはご相談ください。

やまな脳神経クリニック

資格
  • 日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
  • 日本脳神経血管内治療学会 脳血管内治療専門医
  • 日本医師会 認定産業医
  • 臨床研修指導医養成講習会 臨床研修指導医
  • 厚生労働省認定緩和ケア研修会修了
  • 京都大学 医学博士